プロローグ
多分、ずっと探していた。
子供が母親を探すのとは違う。
宝物のおもちゃをたくさんのものの中から探すのとも少し違う。
心の1番弱くて柔らかい部分を、
君は掴んで、離さなかった。
そんな君に、もう一度会いたかったんだ。
その為に探していた。
君は自由で、気まぐれで、わがままだ。
なのに時にどこか寂しげに僕を見つめる。
そのビー玉のような瞳に映る僕は、
君が見ている景色と同じ色なのか。
君が教えてくれた事は優しいものばかりで、まるで僕にとっての月明かりだった。
太陽よりも仄かで弱いのに真っ直ぐ白い。
その光は君を探していた僕を導いてくれた。
もう一度会いたい僕の手を引いてくれた。
そして、また、君を愛してしまった。