yumeshosetsuol’s blog

ただのOLの趣味です。今は2つの別の話を同時進行で更新しています。カテゴリーに分けると読みやすいです。

エピローグ『それから』(Happy End)

私と大志くんの『それから』。
無事に産まれてくれた、私たちの赤ちゃんは親バカだけれど世界一可愛い女の子で、
静希(しずき)と大志くんが名付けた。
名前の意味は、大志くんの『し』と、私すずの『ず』と、誰かが『望』んだ時それが希望に変わるようにと、『希』という漢字を最後に付けた。もちろん、静希は私たちにとっても希望だ。大きく、それでいて静かで穏やかな希望だ。
この由来を聞いた時、私は涙した。
大志くんはと言うと、静希が生まれてたからもうそれは育メンだなんて言葉では申し訳なくなるくらいの家事、育児に積極的で、
私が静希を抱いている時間は大志くんが仕事に行っている間だけなんじゃないかと思う。

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でも私への愛も、もちろん表現してくれて、
静希が1歳の誕生日は3人で海に行った。
静希にとって初めての海だ。
冬の海は寒かったけれど海風が気持ちよかった。

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海岸にたどり着いた流木に座ると、
「『ママ』として1歳だね。いつもありがとう」
大志くんはサプライズで指輪を贈ってくれた。
大志くんはあの、婚約の約束指輪の後もう一度ちゃんと婚約指輪を贈ろうとしてくれたけれど、私はその約束指輪を気に入っていて婚約指輪を断り、結婚指輪と一緒につけていた。
でも、それにはダイヤが付いていて静希に当たると危ないからと外していた。
だから今度はダイヤが埋め込まれた指輪をくれた。
そんな優しさに、私は日々癒され、幸せだと言い切れるくらいの日々を送っていた。

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架純の『それから』。
静希が1歳半になった頃、架純と福士くんは結婚した。
福士くんの背中を押したのはあのブーケトスだったと聞きいて、
私はとても嬉しくなった。

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福士くんは新卒で大志くんの後輩となり、マンションも近いからよく互いの家族の家を行き来する仲になった。
専業主婦になった架純は静希が可愛くて仕方ないようでしょっちゅう面倒を見てくれた。
静希に心配なことがあったら相談すると、的確なアドバイスをしてくれた。
さすが、元保育士だ。

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姉・アリスの『それから』。
姉は持ち前の頭脳を活かして外資系の会社ででバリバリのキャリアウーマンだ。
そして会社に勤めながら経営などのコンサルティングも行ない、いくつもの企業を立ち直させてそれが話題となり、書籍を出したところ大当たり。
そしてこれも生まれ持ったものだが、
すれ違えば誰もが振り返る美女ぶりも話題となり、テレビでコメンテーターなども行なっている。
「仕事が楽しすぎて結婚も子供もはしばらくいい!」と、静希を『姫』と呼び実の子のように可愛がっていた。

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兄・蒼と大志くんの姉・翔子さんたちの『それから』
ふたりはしばらく夫婦での時間を大切にした後、赤ちゃんができた。

母は「ベビーラッシュ!」と、嬉しい悲鳴をあげていた。

産まれてからも、よく旅行に出かけている。小さいうちからたくさんのものを見せたいという願いだった。

幸せそうな姿を見ているとこちらも癒やされる。

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私たちの『これから』は、どんどん更新されていく。
昨日と同じことなんて何ひとつない。
待ち受ける涙が出るほどの幸せも、
来るかもしれない涙さえ出てくれないほどの悲しいことも全て私たちの人生になっていく。

「すず、俺と結婚してくれてありがとう」
陽だまりの中の大志くんが、私に柔らかい笑顔を向ける。

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私は思わず大志くんに駆け寄る。
「大志くん、愛してる」

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